ソウルメイト、というと、どんな人を思い浮かべますか。一生を共にする恋人や夫婦という、いわば運命の相手を想像する方が多いのではないでしょうか。
セラピーの現場にいると、それらとは少し異なる、もうひとりのソウルメイトの存在が浮かびあがってきます。いったいどんなソウルメイトなのでしょうか。
まずは現実を見てみましょう。
国勢調査によると、女性の25~29歳の未婚率は60.3%、30~34歳で34.5%、35~39歳で23.1%となっています。また、婚姻件数を離婚件数で割って出される離婚率では、約3組に1組が離婚していることになります。(人口動態統計の年間推計より)
こうした調査結果を見ると、一生のパートナーとなるソウルメイトに出会いたいと願っても、現実はなかなか厳しいと言わざるを得ません。
転機をもたらすソウルメイト
しかし、一生のパートナーにはならないけれど、重要なソウルメイトには既に出会っていることがよくあります。あなたの生き方の方向性を決める相手のことです。
その相手とは、いっとき恋人や夫婦になって濃密な時間を共有することが多いことも、セラピー現場にいると見えてきます。その後、100%の確率で別れを経験するのです。つまり、別れるために出会う相手であるとも言えるでしょう。
別れるまでの修羅場の中で、それまで経験したことのない深く激しい自己洞察がおこります。自分自身と人生を振り返りつつ、これからの生き方そのものを根底から見つめ直す必要に迫られるのです。暗闇でもがいているようにしか思えない、希望などどこにもないように感じる、とても暗く苦しい時期です。
そうした苦しい別れと自己洞察を超えられたとき、はじめて、本来あなたが歩いてゆくべき道がぼんやりと目の前に現れてきます。長い間気づくことのできなかったあなたの本来の人生航路です。その入り口へ導いてくれるのが、このソウルメイト(このソウルメイト自身にはそんな自覚はないことがほとんどですが)なのです。たとえあなたの年齢が何歳であっても、この出会いは起きるべくして起きてきます。
いかがでしたか。
つけ加えるならば、こうした過程を経て本来の自分の道を歩み出しているうちに、唐突に人生のパートナーとなる最も大切なソウルメイトに出会えた、というご報告も、筆者はしばしば耳にしているのです。
※参考 1. 総務省「国勢調査」(平成22年)
2. 厚生労働省「平成26年人口動態統計の年間推計」